火のある暮らし

2014.02.13 Thursday

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    先日の大雪で、庭も、畑も一面銀世界。家の前の細い道が雪で塞がれてしまって身動きがとれず、
    3日ほど家に缶詰め状態でした。まだまだ雪が溶けず野菜の収穫ができないため、配送もお休みです。


    真っ白な庭

    庭の木の実を食べに来たキジ鳩
     

    同じ御嵩町内でも山側に位置する私たちの地域は特に気温が低く、冬の寒さは厳しいです。

    そんな時に活躍するのが薪ストーブ。知り合いの方に譲ってもらったこの薪ストーブは、今やわが家の冬には欠かせないものとなりました。おしゃれに薪ストーブ…と言いたいところですが、わが家の場合は冬にかさむガス代を少しでも減らしたい、というのが本当のところです。笑
     

    薪は家の裏の山から。1〜2年かけて乾燥させます。

     

    お茶のお湯を湧かして、スープを煮て、豆を煮て、小松菜を茹でて、ごはんを炊いて。

    木のエネルギーで料理をすると、普段の料理より2倍ぐらいの時間がかかります。

    時間はかかるけれど、コトコトゆっくり煮たお豆や大根、土鍋で炊いたごはんは格段においしい。

    ごはんを普段よりもっと丁寧に作ってみる。そうすると、なんだかいつもの素材たちがさらに大事に大事に思えるのです。



     

    料理をしている間、土間も暖まって足元までぽかぽか。熾火になったら炭を火鉢に。さつまいもも焼いてみようかな。ついでに湯たんぽも温めておこう。灰が溜まってきたからそろそろ畑に蒔こうかな。一石二鳥どころか、何鳥にもなってしまう薪ストーブ。本当に無駄がありません。

    一方で、放射能の影響を受けて、東北の知り合いの方は薪ストーブを使うことを断念したと仰っていました。自然のエネルギーを使って無駄なく循環出来ていたはずのものがその循環を断ち切られ、この先何年、何十年も使えなくなる…。それが意味するものは何だろう。

    日々自分が何を食べるのか。どうやって食べるのか。そのひとつひとつの選択が、投票権のようなものだと思うのです。もっともっと「食べる」を丁寧に。火のある暮らしを楽しみながら、実践していきたいです。
     

    種、タネ、たね

    2013.10.15 Tuesday

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      キノコバエのせいで、しばらくご無沙汰だったブログの更新。(いい訳です。)
      すっかり秋らしくなり、周りの木々も次第に色づいてきました。つい最近までの真夏日はどこへやら、ぐっと気温も下がって朝晩は寒いほど。
      夏野菜もそろそろ終わりを迎えようとしている中、農園では少しずつ夏野菜の種取りを始めました。


      こちらはオクラ。莢はとても堅く、このように縦にヒビが入ります。
      中には深緑色の種が。


      巨大ズッキーニ!種用ともなるとかなり大きく、3kg程あります。
      もともと緑色の品種ですが、熟してオレンジ色に。


      種採り用長ナス。大きさがわかるように手袋を置いてみました。
      通常出荷するサイズはこの3分の1ほど。


      トウモロコシ。
      アワノメイガの食害がひどく今年はほとんど出荷できなかったので、来年こそ!


      甘長とピーマン。熟すとこんなに真っ赤になります。
      比較的採り易い果菜類の種。中身を取り出して、水で洗ってから乾燥させます。


      鷹の爪。乾燥させてから種用に選別します。


      小豆。こちらも乾燥させてから脱粒し、良い粒を来年の種として残します。


      夏野菜ではないですが、乾燥の終わった小松菜の種。頂いたかわいいビンに入れてみました。


       農園を始めてから少しずつ続けている自家採種。気付けばその種類は20種類ほどになりました。
      自家採種の種は強い!です。同じ品種でも、不思議と自家採種のものの方がより元気に逞しく育つのです。「種が土地を記憶している」とでも言うのか、種を採り続けると、次第にその土地に合ったものになっていくのでしょう。環境が違えば気候も違うし土も違う。その土地土地にあった種を取り続けることは種そのものの多様性、生物の多様性にもつながります。

       ホームセンターや直売所など、市場に出回るそのほとんどの種が「F1」と呼ばれる種です。F1種とは、形や見栄えが良く耐性があり、大量に流通出来るように人工的に交配された種のこと。F1が市場に出回る以前、昭和30年ごろまでは農家が自分で育てた野菜から種を採るということが当たり前でした。

       F1種は一代限りの種のため、種を継いでいくことができません。仮にF1種から種を採ったとしても、形が揃わなかったり、性質の違うものができてしまったりと生産が安定しないのです。結果、農家は種を種苗会社から買わざるを得なくなります。

       また遺伝子組換え種子にも注目です。遺伝子組換え技術とは遺伝子を人工的に操作することで、自然界には起こりえない生命を誕生させる技術のことです。1966にアメリカで初めて除草剤耐性や殺虫毒性を持った遺伝子を組み込むことで、除草剤を使っても枯れない、虫が食べれば死んでしまうというトウモロコシや大豆、ナタネが作られました。
       
       遺伝子組み換え技術がこれまでの品種改良や交配と明らかに違うのは、生物の種類に関係なく交配ができてしまうという点です。言ってしまえば、トウモロコシの遺伝子を取り出して、ネズミに入れてしまうことも出来てしまうわけです。そんな自然に逆らった技術が、人にも環境にも本当に影響がないと言えるんだろうか。「直ちに影響はない」という言葉、どこかで聞いたような…。

      当たり前のことですが、野菜は種からできます。その種はどこから来て、どうやって育てられたものだろう?種を考えることは、私たちの食の未来にもつながります。


      12月22日(日)には、多治見にて「世界が食べられなくなる日」の上映を企画しています。(詳しくはこちら:http://www016.upp.so-net.ne.jp/daizu-trust/pg150.html)遺伝子組換え技術に詳しい天笠啓祐さんの講演会も併せて企画していますので、ぜひ足をお運びください。

       
      東京国分寺にあるカフェスロー。ここには、「つづくたねのプレート」という在来種の野菜のみを使ったランチプレートがありましたよ。http://blog.cafeslow.com/?eid=1151883​

      また、吉祥寺では「種市」という固定種、在来種をテーマにしたイベントも定期的に開催されているようです。面白そう!http://www.organic-base.com/topic/tane/index.html


       

      今年は成り年なのか、柿がたくさん実を付けています。

      夏の畑

      2013.07.26 Friday

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         毎日めいっぱい汗をかきながら、除草と追肥に追われる日々。
        草取りの手を止めてふと空を見上げると、雲一つない真っ青な空。たまにふっと吹く風が気持ち良いです。


        今年もかかしが大豆をカラスから守ってくれてます。

        去年は苗を植えた直後に遅霜にやられ、ほとんど採れなかったズッキーニ。
        今年は自家採種の種も元気よく育ち、絶好調でした。

        草なのか、モロヘイヤなのか…。完全に埋もれてしまっていますが、草水分の蒸発を防いでくれたり、地温を低く保ってくれたりということも。除草が追いつかないから結果としてこうなるのですが…(笑)。

        ツルムラサキ。葉がふっくらしていて、とても綺麗。
        夏の貴重な葉ものの一つです。つるが伸びて大きくなると、ピンクのかわいい花をつけます。

        きゅうりの赤ちゃん。今年はコンパニオンプランツとしてねぎと一緒に混植してみました。
        結果はいかに。

        トウモロコシ。トウモロコシが大好きなアワノメイガが今年は沢山ついてしまって、収量はほんのわずかでした。それでも夏の味覚を楽しめて感謝。特に採りたてを生で頂くのは本当に美味しい!

        かぼちゃのつる。こちらも草に呑まれそうですが…
        草にも負けずぐんぐん葉を伸ばして成長中。

        乾燥の終わった小麦たち。そろそろ脱粒しなくては。

        「自然農」区画のピーマン。耕さず、毎年この場所で種を取り続けます。

        夏は畑が一番にぎやかな時期です。

        ご近所のおばあちゃんが植えたひまわり。「『ひまわり』っていうけど、ひまわりはよく見てると本当にいつもお天道様の方を向いて回っとる。昔の人はよう言ったもんやね。」とおばあちゃん。
        確かに、良く観察すると花はいつも太陽の方を向いている!ひまわりって漢字では「向日葵」と書きますね。なるほど〜

        本当に土が変わって、野菜が変わってきた。そんな実感があります。
        野菜は土の結果。百姓って、土を育てる仕事と言ってもいいかもしれません。


        畑の様子

        2013.05.27 Monday

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           田植えの準備に支柱立て、除草に種まきにマルチ…。めまぐるしく毎日が過ぎて行く今日この頃。田植えと果菜類の定植が終わるまではしばらくばたばたしそうです。生き物相手だもの、野菜たちの成長は待った無しですね。


          地元のお米、マキタコシ。低温続きで発芽がかなり遅れてしまいましたが、無事に芽が出ました。

          田植えの日まで無事に育ちますように。

          年々土が良くなって来ているからか、病気も虫食いもなく健康そのもの!といった様子の小松菜。
          野菜は土の結果なのですね。

          チマサンチュ。きれいな赤が畑に映えます。

          一番花のついたピーマンの苗。そろそろ定植のサイン。

          冬に何度も霜に浮かされ、半分以下の量に減ってしまった玉ねぎたち。
          残った玉ねぎは順調に育っています。収穫は来月。

          種取り用のにんじん。もうすぐ花が咲きそうです。

          大根の花。

          大根のさや(種になる部分)。これが食べられるというのは最近初めて知りました。食べてみるとさくさくした食感でほろ苦く、大根の辛みもあります。炒めものに入れても、ピクルスにしてもおいしく頂けます。

          去年までは雑草としてしか見ていなかったイタドリ。最近野草や山菜について学ぶ機会があり、それまでの見方がずいぶんと変わりました。昔の人は野菜のない端境期でも、きっと上手に野草や山菜を生かして暮らしてきたに違いない。足元にある資源を見直すって大切ですね。

          5月なのに各地で30℃を越え、すでに夏のような陽気。次の世代に環境をきちんとつないで行けるんだろうか。観測史上初なんていう言葉、ここ数年で何回聞いたでしょうか。地元のおじいちゃんおばあちゃんからも「こんなおかしい天気は初めてだ」というような話を度々耳にします。

          年々作物を育てるのが難しくなっている。うちだけでなく、各地の農家さんも相当苦労されているようです。植物が育つのが難しいということはつまり、人にとっても生き物にとっても生きづらい環境になってきているということ。

          ここ5年でもかなり気候が変わってきているというのは実感としてあります。寒すぎるし、暑すぎる。年々春らしい、秋らしいと感じる日が少なくなってきているのではないか。干ばつ、集中豪雨のニュースも頻繁に目にします。こんなに世界各地で気候が異常だというのに、それでもスーパーに行けば食べ物が溢れんばかりに並べられています。「これっておかしくない?」という疑問の目を持って、食べ物の背景を知る事はとてもとても大事な事だと思うのです。

          ここで、南米エクアドルに伝わる小さなハチドリの物語をちょっとご紹介。

          山火事でほかの大きな動物たちが我先にと逃げ出す中、たった一羽でその小さなくちばしで水滴を運んでは消火活動に励むハチドリのクリキンディ。「そんなことをして何になる?」と笑う動物たちにクリキンディはこう返事をしました。「私は、私にできることをしているだけ」。
          (ナマケモノ倶楽部HPhttp://www.sloth.gr.jp/より)

          異常気象に原発にTPP。どれをとっても私たちの食と深く関係しています。日本の食は本当にどうなるのだろう…

          不安にばかり思っていても何も変わらない。私は私にできることを淡々と。

          薬師祭礼

          2013.04.07 Sunday

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             毎年4月の第一日曜に行われる薬師祭礼。
            御嵩駅のすぐそば、願興寺で行われる由緒あるお祭りです。
            その歴史は千年以上ともいわれ、岐阜県の重要無形民俗文化財にも指定されています。

            毎年行きたいと思いつつもなかなか足を運ぶことができず、今年こそは是非見に行きたいと思っていると…。
            何と今年はお祭りを演じる方の役を頂くことになり、舞台の上でからくり人形を動かすことに!

            山車の上に弁慶と牛若丸が乗っています。

            山車にはお囃子を奏でる子どもたちが。
            お祭りの衣装を着て、太鼓を叩いて、踊って。
            みんな一生懸命頑張っていました。

            この棒で山車が進む方向を調整します。
            各車輪に男性が2人づつ。かなり力が要りそうです。

            「蠅追い」と呼ばれる役者が、樒(シキミ)の枝で頭を軽く叩いて厄払いしてまわります。
            写真には横顔しか映っていませんが、白塗りのお面を被っています。

            山車が終わると、大山の上にからくり人形が登場。
            ここでようやく出番!棒を上下に動かし、龍や侍の人形を動かします。
            この日はとても風が強い日だったため一部の人形が動かせなかったものの、演技は無事に終了。

            最後に、参拝者にお餅が振る舞われます。子どもも大人も皆笑顔。

            決して大きなお祭りではありませんが、とても雰囲気のある素敵なお祭りでした。
            地元のお祭りにこうして関わることができるというのは、嬉しくありがたいことです。

            関わらせて頂いたことで、お祭りの歴史や演技一つ一つの意味をもっときちんと知りたいと思いました。
            一過性のイベントとしてのお祭りではなく、昔の人が願いを込めて行ってきたこうした行事の意味を、きちんと理解して関わることができたらと思います。

            来年も楽しみです!